確かにここは難しい点だ。


「提案、いいかな?」

巧海が手を上げた。

「明日はさ、一人一人ファンの人へ感謝を伝えない?」

「やる意味は?」

「やっぱり歌ってたり話してるだけじゃ伝わらないところもあると思うんだ。だから、言葉でちゃんと伝えたくて」

巧海にしてはいいこと言うな。

「そうだな!そうしようぜ!」

「おう!!」


ファンの人へ感謝、か。

話すこと、決めておかないとな。





「最後、存在感」

存在感……。

「一番薄いのは歩じゃない?」

「はあ!?」

確かに薄いかもしれないけどっ。

「一番濃いのは景斗だろ」

「いや、瞬だ」

「僕も景斗だと思うよ」

確かに俺もそう思う。

景斗はいつも自信に満ち溢れていて、堂々としている。

「どうしたら存在感って濃くなるの?」

「景斗、教えろよ!」

景斗は困った顔をした。

存在感とか気にしなさそうだな。

「俺が一番だっ!!って思いながらパフォーマンスしたらどうだ?」

「いいな!俺、乗った!」

「…俺もそうする」