「もも~。上すごい!!」
うっとりと名前を呼ばれ、自然と顎を持ち上げた。
「上…?」
そう言って見上げると、いっぱいに枝を広げた先に、たくさんの花を付けた桜の木があった。
隙間からは、空の青さが顔を覗かせている。
「…すごい…綺麗…」
「日本人で良かった~!!」
「ナニそれ」
笑って美春を見ると、ニコニコと目を細めて笑っていた。
着ている淡いピンクのワンピースに、白のカーディガンを羽織った美春は、桜の花で作ったワンピースを着ているようだった。
「気持ちいい~♪空気が美味しいね!!」
「こんな所に住みたいなあ~」
二人でぼーっとしながら景色を堪能していた。