「龍ちゃんやるねえ。たまには」
美春がポツリとそんな事を言った。
うん。私もそう思うなあ。
「龍雅ってマジでももの事好きなのか?」
「…はあ?」
何でそうなるんですか。
「龍ちゃんは気が多いだけじゃないかなあ?」
ちょっと!!勝手に話を進めないでえ!!
「あいつは意外に分かりずらいからなぁ」
「うんうん。るぅちゃんは分かりやすいけど」
ほのぼのと話してるけど、私の存在忘れてない?
「ねぇ何が?」
たまらず口を挟むと、美春のキラキラした目が私に向いた。
「ももは鈍すぎるんだよ!!」
「…はあ…?」
え…っと?
「ねえ!!慶兄って、ももはどう思う?」
「るぅのお兄ちゃん」
サラリと言う私に、美春は不満そうな顔をした。
「もも…本当に二十歳前の女の子?」
「11月で二十歳です~!!」
何が言いたいのさ。
口を尖らして不貞腐れた顔をしていると思う。
「そう言う顔、ももは将来のダーリンにいっぱいしなきゃダメだよ」
「ダーリン…好きな人どころか気になる人すら居ないよ…」
自分で言っといて、何か虚しい。
「以外とすぐ側に居るかもよ?」
俊ちゃんがそんな事を言い出した。
言われてよーく考えてみた。
「近く……………居ないよ」
居たらある意味ビックリだよ。
「も~っと周りをよく見なよ♪ももに好きな人出来たら嬉しいなあ」
可愛らしく微笑む美春は、女の子らしくて本当に羨ましいぐらいだ。
私には、美春のような女の子らしさが足りないんだ。
「いつかイイ人見付けるよ。その時は相談するね」
美春に笑顔で答えると、嬉しそうに微笑んでくれた。