高速を降りると、山の中だった。


「…山だね」


思った事を口に出してしまった。


「海は?海はどこお~!!」



全くその通りだった。見渡す限り山だった。


「龍雅情報だからな~。ま、どっか場所あればいいだろ」



なんて苦笑いを含んで俊ちゃんが言った。


「おサルさんいないかな~♪」


ニコニコと外を見る美春は、切り替えが早い。


くねくねと曲がる道を、右に左に揺られながら山を高く登った所で、道が開けた。


「ああ~~っ!?」



突然声を張り上げた美春を見ると、向こう側に広がる景色に目を見開いた。



「海だあ~♪きゃー!!」



大きな海が、時折木々に遮られながらも、青い顔を覗かせていた。