広すぎる家に、私一人。


一人ぼっちには、慣れた。


そう自分に言い聞かせ、靴を脱いで玄関を上がった。


すぐに階段を登り、短い廊下の突き当たりを左へ曲がり自分の部屋を目指した。


私の部屋は、二階の一番突き当たりだ。


隣には弟の部屋があり、しょっちゅう音がうるさいだのと喧嘩をした。


今は、弟の部屋だけではなく、家全体が静かすぎて余計に一人ぼっちという事を自覚するだけだ。


扉を開き、中へ入った。



荷物を中央にあるテーブルに置くと、クローゼットを開いて適当に服を引っ張り出した。