中途半端に瑠衣斗のスウェットの袖を握っていたので、そっと背中に腕を伸ばしてみた。
瑠衣斗って背中広いんだ。
呑気にそんな事を考え、恥ずかしくなってぐっと力を入れた。
「おやすみ」
「う!?お、おやすみ!!」
それから瑠衣斗の腕は、力が緩む事はなかった。
…ひょっとして…抱き枕と勘違いしてませんか。
少し高い瑠衣斗の体温に触れ、ぽかぽかしてくるのが分かった。
もう眠ってしまったのか、瑠衣斗はぴくりとも動かない。
抜け出せそうもないし、動いて起こすのも悪いと思った私は、諦めて目を閉じた。
瑠衣斗の力強い腕が、凄く心地よかった。