「ねえ、何?」
「…ももさ」
「うん?」
ちゃっちゃとせんか!!と言いたい所だけど、やめとこう。
「慶兄。気になってたりする?」
「…は?」
何を言い出すかと思ってたら…本当に何言い出すの。
「頭撫でられてただろ?そん時赤くなってたから」
「え!?それで!?」
「……まあ」
確かに赤くなってたかもだけど、好きとかそう言うんでなくて。
「気になってないよ」
「赤かったし…何かされた?」
「されてない。ちょっとドキッとしただけ」
「…ドキッとしたんか」
はあ。と目線を外して溜め息をつかれ、余計訳が分からない。何なのさ!!
「まあいいや」
そう言って私に目線を戻したかと思うと、瑠衣斗の腕が伸びてきて、背中に回ったかと思うと強く引き寄せられた。
「っえ!?」
何が起きたか分からず、軽くパニックになる私の耳元に、瑠衣斗の息遣いが聞こえ、更に体を固くした。
気が付いたら、両腕でかっしりと抱き締められていた。