「え!!いいよ、帰るし」
「ダーメ」
えぇ!?何で!!
必死に起き上がろうとした私を、瑠衣斗はあっさりと私の両肩を押して制した。
訳が分からないまま、そのまま固まっていると、掛け布団を捲って私の右側に瑠衣斗が入ってきた。
「よいしょ」
そう言って腕に顔を乗せ、うつ伏せになってしまい、瑠衣斗の表示が見えない。上に向き直り、顎まである掛け布団を両手で握り込んだ。
「ねぇ、やっぱり悪いよ…」
「いいよ。帰すつもりかなったし」
「そうな…ん……へぇ!?」
言われた事に驚いて、瑠衣斗を見ると、瑠衣斗の腕と肩越しから目があった。
口元は見えないので、相変わらず表示は分からなかった。
本当にめちゃくちゃと言うか強引と言うか…。
こうと決めたらテコでも動かない。そう言う厄介な頑固な男だ。
みんなと揃って雑魚寝はしょっちゅうだし、隣で寝る事なんて別にどうって事ない。
でも、今日はみんなが居ない。
…何か変な感じ。