頬に暖かい感触がした。
何だかふわふわしていて、瑠衣斗のシャンプーの香りが濃く匂った。
とても気持ちが良くて、これは夢なんだと思った。
目を開けようとしたが、何だかもったいない気がして、目を開ける事を留まった。
優しく頬を撫でられているようで、その手がとても心地好い。
ふいに、唇に何か柔らかく、暖かい物が触れ、直ぐにその感触は離れていった。
私は薄く目を開くと、目の前に優しく微笑む瑠衣斗が見えた。
ふわふわして気持ち良い。このままずっとこの夢を見ていたい。
肌に冷ややかな手触りがして、目を開けた。
…あれ?
「わりい。起こしたな」
「寝てた?」
「そのまま寝ろよ」
よく周りを見渡すと、瑠衣斗の寝室のようだ。
オレンジ色の照明に落とされていて、全体的に暗い。
ひんやりとした感触は、瑠衣斗のベッドに下ろされたからだった。