「もも?大丈夫?」
「え?な、何が!?」
磨りガラスから瑠衣斗のシルエットが浮かび上がって、一瞬覗きに来たかと思い、両手と膝を折って体を隠した。
「逆上せてねえかと思ってな。着替え置いとくなあ」
「ありがと~」
気が付いたら随分長風呂していたようだ。
湯船から上がると少し頭がクラクラした。
脱衣場へ上がると、洗濯機に置いたタオルと並んで、瑠衣斗のスウェットが置いてある。
貸してくれるのだろうけど、下がない。
バスタオルで体を拭いて巻き付け、洗面台に置いてもらっている歯磨きを取りだし、シャコシャコと磨いた。
冷水で顔を引き締め、下着を身に付けてからスウェットを着込んだ。
太ももまでしっかり隠れるしいっかぁ。
しっかりしてそうで、結構おっちょこちょいな瑠衣斗だったりする。
料理がすごく上手な瑠衣斗でも、お決まりのようにお刺身にソースだったり。
たまにビックリするような事をしでかすので、みんなにいじられる。
洗面台の鏡の前で、肌に化粧水と乳液を馴染ませ、備え付けてあるドライヤーでワシャワシャと髪を乾かす。長いので半端なく時間がかかる。
ようやく乾いた所で、荷物をまとめてバスルームから出た。