棚を開け、いっぱいいっぱい背伸びしてバスタオルを取り出した。
洗面台の横に置いてある洗濯機にタオルを置いて、さらにタオル置きの棚の横から、お泊まりセットの袋を取り出した。
中身はメイク落としや化粧水、下着といった所。
着替えがないが、家に帰るからいいやと思いながら着ている服を脱いだ。
バスルームへ入ると、湯船からもやもやと湯気が上がり、真っ白だった。
まだ春とは言え、夜は冷える。
シャワーを浴びて、ボディソープをタオルに取って泡立てた。
体を泡だらけにさせながら、そう言えばみんなにも心配掛けたな~。なんて考え、少し長い髪を洗ってメイクも落とし、湯船につかった。
顎先までつかり、暖かい滑らかなお湯にホッと息をついた。
余裕で足を伸ばせる浴槽は、きっと瑠衣斗や龍雅達が入ったら、窮屈なんだろうか。
ぼんやりする意識の中、ふいに左側にある窓を薄く開けてみた。
まん丸のお月様が窓から覗き、まだ少し冷たい風が入ってきた。
頬に当たる風はが心地好く、しばらくまん丸のお月様を眺めていた。