「風呂入るか?」
ふいに瑠衣斗にそう言われて、着替えも何もないしなあ。と思った所で、美春達と泊まりに来た時、お泊まりセット一式置いていっている事を思い出した。
「家帰って入るのも面倒だし借りてこかな」
「全部脱衣場の棚の中に入ってんぞ」
「やっぱり?」
見上げると、瑠衣斗の色素の薄い瞳が、私を見下ろしていた。
「お前らの荷物があちこちにある」
「い~ぢゃ~ん」
まだ飲みかけだったけど、いっか。
そう言って立ち上がり、バスルームへと向かった。
ソファーを中心に、左側の扉が脱衣場とバスルームだ。
「お先に借りるね」
「タオルとか勝手に使えよ」
「は~い」
そう言って、扉の中へ入った。