全部美味しいんだけど、まだ手が付けられないでいた物があった。


このまま食べるの?てゆーかどうやって?

「ん?嫌い?」

私がじっと里芋を見つめているて、瑠衣斗が不思議そうに横から顔を覗いてきた。


「このまま食べればいいの?」

器から里芋を直接取り、瑠衣斗はそのまま私の口元へと押し当てた。


「え?」

と薄く口を開けると同時に、にゅる~んと粘りけのある里芋が口の中に入ってきた。


土の香りがして、なだらかでとても美味しい。


「美味しい!!」

「この食べ方が一番うまいんだ」

「こう言う食べ方初めて」

「地元だとみんなこうだよ」

「へぇ~大発見」

「田舎なめんなよ」


口元をいやらしく吊り上げ、目を細めて見られた。


「なめてないって」