目の前には、ほうれん草と豆腐の浮かぶお味噌汁と、インゲンのおひたし、いつ作ったの!?と言うようなぶり大根に、小ぶりな里芋が丸々四つあった。
「本当は米はお釜で炊きたかったんだけどな~。今日は炊飯器で早炊きにした」
そう言うと、私の左側へと腰をおろした。
「るぅの地元のお米まぢ美味しいもんね」
艶々した白米は、瑠衣斗の実家から送られて来る物で、私の他のみんなも大絶賛た。
二人で、いただきますと手を合わせて、だいぶ遅い夕食を始めた。
そう言えば、朝簡単なシリアルを食べただけで、何も口にしていなかった。
「もいふぃ~」
「美味しい?」
うんと頷く私を見て、瑠衣斗は満足そうに「当たり前」と言った。
どれも本当に美味しいので、今回ばかりは何も嫌味の小言も出ない。
「ぶり大根いつ作ったの?」
「ん?昨日の夜暇で」
暇で仕込めちゃう当たりまぢ考えられないんだけど。
「素晴らしいです」
「ももに褒められまくると照れる」
真顔で言うから本当に照れているのか分からない。
「全部美味しいって事」
「何も出ねえぞ」
「出さんでよろしい」