ぽかぽかの陽射しに、うたた寝をしてしまった私は、起こされ方の悪さからご機嫌ななめだ。
「ももちゃん機嫌直して」
「…ビックリさせようとしたでしょ」
ももちゃんと言われいるのは、もちろん機嫌の悪い私の事だ。本名は“唯ノ瀬もも(ユイノセモモ)”今年二十歳になる大学二年生だ。
「え?ちげえよ?」
と、口の端を吊り上げて嫌味ったらしく笑うのは、高校からのお友達付き合いの“松風瑠衣斗(マツカゼルイト)”。同じく今年二十歳のバカでかい男だ。
瑠衣斗と一緒に居ると、凸凹さが際立ってしまう。
何故かと言うと、私の身長は、ギリ150センチといった所。
母親がそれ以下の身長だったので、似てしまったらしい。
反対に瑠衣斗は、180センチ越えの巨男だった。
何を食べてそんなに成長したのだろうか。
いつも見下されているようでムカつく。