「結婚式って…女の子だったら絶対一度は憧れるよ……」
美春なんかは、特に女の子らしいし、小学生の頃なんて将来の夢は可愛いお嫁さんなんて卒業文集に書いていたぐらいだ。
実際に、美春に赤ちゃんがお腹に居ると分かった時、二人の姿を見ていた私は、当然結婚式を挙げるものだと勝手に思っていた。
「だから、俺らで手作りの結婚式やってやんの」
ニッコリ笑う宗太に、思わず笑みがこぼれた。
「早く教えてよ。私だけ仲間外れにされた気分じゃん」
「勝手に人数に入れてたけどなあ」
クスクス笑う宗太は、ふわふわの頭に軽く指を通して前を向いた。
前には、龍雅が瑠衣斗にちょっかいを出してじゃれあう二人が目に入る。
「龍雅が言い出したんだよなあ…。あいつ、何だかんだしっかりしてんだよなあ」
「龍雅が?」
意外と言えば意外だが、昔から龍雅は人一倍仲間思いな奴だった。
「ま、そーゆう事。協力するか?」
「当たり前じゃんか!!」
優しく言う宗太に、張り切って返事をした。
大好きな美春が、喜んでくれるなら何だってできる。
いつも一緒に居てくれた美春に、絶対に幸せになってほしいから。
「男ばっかじゃ分かんねーしな、美春と付き合いなげえももさえ居れば、何とかなるな」
「宗太はいいとして、龍雅とるぅは…どうなんだろね」
楽しみだな…。美春、喜んでくれるかな?
心がぽかぽかして、何でもないのに頬の筋肉が緩んでしまう。
できる事は何でもしよう。
美春の心に一生残るような、ステキな結婚式にしたいな。