「あ〜…食い過ぎた」
「ちょっとは遠慮しろよ!」
結局、龍雅は替え玉を三回もした。負けじと瑠衣斗も三回したが、龍雅は更にチャーハンまで頼み、食べきれなくて替え玉を一回だけした宗太に食べてもらっていたぐらいだった。
どこにそんなに収まるんだろうと不思議に思ってしまう程、素晴らしい食べっぷりに、見ているこっちが満腹になるようだった。
「ねぇ、ところで何しに来たの?」
ずっと分からないまま連れられ、気になっていた事を聞いた。
最初から教えてくれてもいいのに。とも思うが、人には前置きもしずに行動に出るのは前からだった。
「あいつらの為に結婚式やってやろうと思ってな」
宗太の言葉に、思わず軽く眉を寄せ、横を歩く宗太を見上げた。
「…結婚式?」
そう言う事って、二人で決めたりするモノじゃないっけ??
さっぱり意味の分からない私に向かい、宗太が目を細めて私を見下ろした。
「あいつら、結婚式挙げないつもりらしいんだ」
「えぇ!?そうなの?なんでっ」
驚く私を余所に、宗太は優しく笑みを漏らした。
「俊から、美春が式は恥ずかしいから挙げたくないって言ってるって聞いてな。俺の勝手な解釈だけど…美春が俊に気を使ってんじゃねえかな。ただでさえ学生な上に、結婚なんて金も時間もかかるだろ?せっかく結婚を認めてくれた親にも頼りたくねえんだろうし、何より俊に負担を掛けたくねえんだろうな」
「そう…なんだ…」
何だか最近、自分にいっぱいいっぱいで、他に目を向けれなかった。
小さな頃から一緒だった美春に、何だか申し訳なくなった。
どうして話を聞いてあげられなかったんだろう。
もっと会わなかったんだろう。
胸が切なくなって、どうしようもない感情が胸を支配する。