会話を聞かれていた事に動揺し、更に顔が熱くなる。
「6時に何だって〜?」
「む、迎えに来てくれるだけだよ…」
これ以上つっこまれたくなくて、唇を噛み締めた。
いやらしく言う龍雅が、私の心を掻き乱すようだ。
「はいはい、着いたぞ〜」
切り替えるように瑠衣斗が言い、ホッと息をついた。
心臓に悪いよ……。
ピッタリとパーキングに車を停めて、気持ちを撫で下ろすように肩から力を抜き、まだうるさい龍雅の声を聞きながらシートベルトを外した。
「迷子になるなよ〜、勝手に女の子に付いてくなよ〜」
誰に言っているのか丸分かりな事を宗太が言いながら、四人で人混みを練り歩いている。
「ここはあえていねぇ方がいんじゃね?」
「おめー!!キツいんだよ!!」
バカなやり取りに、苦笑いが漏れる。
二十歳にもなるでかい男が三人で何言い合ってんのよ……。
適当に歩いているだけだと思っていたら、通りから少し裏に入った場所まで来ていて、一軒のラーメン屋さんに入った。
「いらっしゃいませ〜」
いたって綺麗な内装に、結構な人数の従業員もいて、元気な挨拶に躊躇してしまう程だ。
お腹が減ったと連呼していた人物が二人もいたので、きっとすぐにお腹一杯になるモノを選んだんだろう。
カウンター席ではなく、窓際の陽射しの差し込む席に座り、見渡してみると結構な賑わいだった。
瑠衣斗に押し込められるように窓際へと詰められ、いそいそと奥へと詰めた。
「るぅの奢りだし替え玉するぜー!!」
目の前の龍雅は、張り切ってメニューを眺めている。
こうやって数人でラーメン屋さんに来るのは久々だ。
高校の頃は、それこそ飽きる程男子に美春と共に付き合ったモノだった。
「へいへい。分かったよ…」