エレベーターのボタンを押すと、直ぐに降りてきた。


二人で乗り込むと、瑠衣斗は目的の階である八階のボタンを押し、扉を閉めた。



自分の左腕にある腕時計を見ると、11時を過ぎた所だった。



お昼からどんなけ寝たの。



そんなに長く寝た感じがなくて、ずっと側に居てくれた瑠衣斗に申し訳ないと思った。


ふと見上げると、瑠衣斗の太い首に、喉仏が上下するのが見え、すっと整った横顔が見えた。


本当にでかい。何食べたらそんなでかくなるのか疑問だ。見上げる方の首の心配をしてほしい。



そうこう考えていた時、軽い重力がかかってエレベーターが八階に到着した。



瑠衣斗の家に一人で来るの初めてだなぁ。



と考えながら瑠衣斗に続いてエレベーターを降りた。


瑠衣斗の部屋は、エレベーターを降りて左へ曲がり、更にすぐ右へ曲がった一番奥の角部屋だ。


貧乏学生ではちょっと住めないだろう。お洒落なデザイナーズマンションだったりする。


本当に瑠衣斗って不思議な生態があると言うか何と言うか。


慣れた手付きで鍵を開けた瑠衣斗にドアを支えられながら、玄関へ入った。