「今日慶兄は?仕事?」
「慶兄?ん~何か昨日急患が入ったらしくって…連絡はないねえ」
朝起きた時に携帯を確認したが、連絡は入っていなかった。
「ぶっ通しで仕事とかしょっちゅうらしいからなあ~。大変だなぁ」
「うん…」
私が倒れた時も、朝まで仕事だったみたいだし、なかなか家にも帰れないのかな?
「んで…るぅは?」
「さあ?昨日宗太の家に来いよって言われただけだよ?」
煙草に火を付けて、天井に向かって煙を吐いた。
漂うように広がる煙は、溶け込むように徐々に消えていってしまう。
どこかで、命あるモノは死んでしまうと、宇宙のチリになって宇宙を漂うと聞いた事がある。
土になっちゃうんじゃないの?とも思ったが、それは自然界でのサイクルに限られているんだろうか。
人は、燃やされ、灰と煙になり、それが大気圏を越えて宇宙まで届くのかな…?
――…私の家族も、宇宙を旅しているのかな……。
「一緒じゃねえとか珍しいな」
「えっ?」
思考の渦にすっかりハマってしまい、龍雅の声で覚醒した。
「いっつも一緒だからよ~」