「――…夢、か」
眩しい光に目が覚めると、息がつまるようで、鼻もツンとした。
白いクロスの天井が、ぼやけて見える。
そっと目を擦ると、手が濡れる感覚がして初めて自分が泣いている事に気が付いた。
「変な夢……」
目覚めから気が重くなり、溜め息を思わず吐いた。
寂しくなんか………。
そう思った所で、心の中で何かが葛藤しているように、胸が苦しくなる。
最近の私は、やっぱり可笑しいのかもしれない。
気だるい体をベッドから起こし、しんと静まり返った静寂に、耳が聞こえていないんじゃないかとさえ思える。
とっくに慣れた毎日の朝なのに、誰かがリビングに居るんじゃないかなんて考えてしまう。
変な夢を見たせいだよ。
今更何考えてんの。
気持ちを切り替えようと、ベッドから立ち上がり、そそくさと洗面所へ向かった。