「我慢してんなよ。んで溜め込むんじゃねー」
「そん…そんな事ないよ」
最近、自分でもおかしいんじゃないかと思う位なんだから、周りに居る人が異変に気付かない事もないだろう。
「…そんな頼りねえ?」
「だから違うってば!!」
言えない。私の気持ちは、重すぎる。
瑠衣斗だけじゃない。美春や俊ちゃん、宗太や龍雅にまで、受け止めてもらいたいとも思わない。
そして、慶兄にも……。
私が気持ちを漏らす事で、何かが変わる事が怖かった。
「強がりだなあ~、泣き虫」
「だから違うっ!!何も強がってもない」
素直になんてなれなかった。
自分の気持ちを伝える術を、私は知らない。
そして、自分の中で消化していくしかなかった。
でもいつの間にか、それは消化されたように思えただけで、どんどんと侵食していただけだった。
「約束」
「……約束?」
突然出てきたフレーズに、眉をしかめた。
前にも、瑠衣斗は約束がどうとか言っていたが、ちゃんと説明してくれる事がなかったんだ。
「思い出したら、言えよ?」