「とにかくさ…今日も、きょーうーも、たまたま偶然夏希が見付けてくれたから良かったけどよ、いつでも来ればいーじゃん」


「………」



そう言う純平に対して、曖昧に苦笑いを返すしかできない。


見ず知らずの、まだたった1、2回しか会ってない私に、どうしてここまで気を掛けてくれるか分からない。


「ももさ、一人で何か抱え込んでね?それもいろいろと」


「――…そんな事ないよ…」



夏希が諭すように私に聞くが、すぐに否定してしまった。


はい、そうなんです。何て言える訳ない。


抱え込んでいるかもしれないが、端から見れば大した事じゃないかもしれない。



自分の感情を言葉にする事は、相手に対してもそれなりに受け止めてもらわなければならない。



――…もし、拒絶されたら?否定されたら?重く思われたら?


私が深く考えすぎているだけの事で、周りから見ればそんなに深く考える事ではないかもしれない。



極端に人に深入りしず、また深入りされないように、自分の周りにいつの間にか壁が出来上がっていた。



相手が美春や瑠衣斗達だろうと、私は自分の奥底を見せれずにいた。



「ふぅん?目が死んでるけどな」



――――……なに?




「ずっと本気で笑ってねえんじゃね?」



心の中の全てを、見られてしまっているようで身動きが取れない。


動いてしまったら、影になって隠れている部分まで、夏希に見透かされてしまいそうだった。