「じゅんぺー…」



ポツリと呟く私の正面に立つと、彼は右手を私に差し出してきた。


「よろしく~。猫チャン」


「あ…どうも」



スッと差し出した手を、純平はギュッと握ってすぐに離し、ニッコリ笑って見せた。


「…んで?なんでまたあんな場所に居たワケ?」


「え?…散歩……」



横を見ると、頬杖した夏希が上から私を見下ろし、片手で髪をかきあげている。


「ふーん…俺あの公園のすぐ近くに住んでるんだ」


「あ、俺もねー!!」



割って入ってくる純平に、思わず苦笑いするしかない。


テンション高いなぁ…ちょっと龍雅に似てる………。



そう思った所で、携帯の存在を思い出し慌てて夏希に向き直った。


「充電器!!貸して!!」


「ん?ああ、そうだったな~」

そう言って夏希は、純平に向かって取ってと言うと、すぐにカウンターの下から沢山の充電器を取り出してくれた。


「どれ?」


「え~っと………あ、コレ」



私が取り上げた充電器を純平が受け取ると、またカウンターの下へ姿を消してコードを差し出してくれた。


「ありがとう」


「いーえ~」



どうしよう…るぅに連絡するべきかなぁ?それとも慶兄?


仕事の話を始めた二人の横で、充電器を差し込んだ携帯をじっと見つめたまま、悶々と考えた。