「いらっしゃいませ~!!!!」
語尾の上がりまくりの挨拶を聞きながら、夏希に続けて店に入った。
「お、何だ夏希かあ」
「はよーす」
そっと中を伺うと、カウンターを中心にボックス席が3つ程あって、店内は落ち着いた暗さでネオン官なんかが飾られていて、カウンター越しにはいくつものボトルがキープされてある。
そっと夏希の後ろから顔を出すと、カウンターに入っていた短髪の男性が目をまん丸くして私を見つめた。
「あれっ!!お前1人じゃねえの!?ちっちゃ~!!気付かなかった!!」
え、あ…私の事…だよね。
「捨て猫チャンのもも。拾った」
「あ…えと、ももデス」
紹介されたので、挨拶をしようと夏希の後ろから出て、慌てて頭を下げた。
「うお~~!!何だよまじウブじゃん!!かっわいー!!」
「手ぇ出すなよ~?まだ未成年だぞ~」
興奮する彼とは対象的に、夏希はのんびりと応えると、脚の長いカウンター席へと私の背中を押した。
「えー!?未成年!?ちっちぇーけど大人っぺーから俺らぐれえだと思った!!」
驚く彼を他所に、夏希は私に手を貸しながら私を椅子に座らせると、一緒に並んでカウンターについた。
「コイツは純平~。俺とタメな」