消えてなくなっちゃえば…何も考える事もない。
辛い事も苦しい事も、何にもない。何にも―――…………。
「――…なにやってんだろ……」
私、何やってんだろ。
きっと、瑠衣斗が心配している。
ひょっとして、またみんなに心配かける事になってるかもしれないと思い、芝生に手を付いて立ち上がった。
ぼんやりと広い公園内を照らす街灯が、ポツポツと佇んでいる。
誰も居ない公園に、暖かい生ぬるい風が優しく吹き抜け、木々を揺らしていた。
私、最近おかしい……。
どうしちゃったんだろう。
ゆっくりと足を踏み出し、出口に向かって歩き出した。
風が私の髪を拐うように、柔らかく私の頬を撫でるのが心地良い。
通りへ出ると、たくさんの車が走っていて、ここが繁華街の近くだと気が付いた。
こんな場所に公園なんて………………あったな、そう言えば。
夜になんて来た事もないし、ただひたすらに走って来たから分からなかった。
さっきまでの頭痛が嘘のように、頭の中はスッキリしていた。