これ以上、振り回さないで。期待させないで。


「ただの友達なら、友達らしくしてよ」



じっと見つめる瑠衣斗を、軽く睨み付けながら吐き捨てるように瑠衣斗にぶつけた。


「るぅの気持ちが分かんないよ。何がしたいの?からかって楽しい?」



何も言わずにはにかむように笑う瑠衣斗は、やっぱり何も言わずに、ただ何かを堪えるように微笑んでいる。



そんな顔しても分かんないよ……。言葉にしてよ。



何だか悔しくて、悲しいのかムカつくのか分からなくなってくる。


なのに、何故私の胸は熱く切なく締め付けられるようなのだろう。



「……悪かった」


「……なにそれ」



悪いと思ってるなら…何で?



謝ってほしくないよ。何でそんな事しか言ってくれないの?


私は、るぅに何を期待していたの………。




「…もぅいいよ」




瑠衣斗から視線を外して、自分の手を見つめた。


いつの間にか力一杯握り締めていたらしく、爪が手のひらに食い込んでいて柔らかな痛に目頭が熱くなるようだった。