「んだそれっ」
吹き出すように笑い出す瑠衣斗の声で、更に顔が熱くなるのが分かる。
「もぉ~…やめてぇ……」
両手で顔を覆って、俯くしかない。
顔から火が出そうだよ……。
あまりにも恥ずかしくて、胸が締め付けるように苦しい。
冷や汗が全身から出ているようで、嫌な感じがする。
経験とか多少はあったりすれば、恥ずかしいなんて思ったりしないのかな?
美春はお腹に赤ちゃんが居るくらいだし、どーって事ないのかな?
「美春…やべぇまじオヤジ…っひぃー」
指の間からチラリと瑠衣斗を見ると、八重歯を覗かせてゲラゲラ笑っている。
大爆笑だよ…。
てかひぃーって……。
「あ~もぉ!!そんなに笑わないでよ!!」
ガバッと覆っていた両手を顔から離し、瑠衣斗を睨み付けた。
きっと真っ赤で反対に間抜けに見えるかもしれないけど。
「ちげっ…美春だって美春!!」
そう言いながらも、私の顔を見て笑っている。
笑うと目尻が下がる瑠衣斗は、笑っているのに少し困ったような、泣き笑いのような顔にも見える。
「あそー!!もういい!!慶兄に電話するっ」
笑っている瑠衣斗をほかって、携帯を開いて履歴から慶兄の番号を呼び出し、すぐにかけた。