「……へっ」
な、何でそれを………って慶兄か。
『なになに~?昨日泊まったんでしょ~?』
「あ…う、うん。つ、付き合う…そう。うん」
自分でも何を言っているか分からず、舌が回らない。
テーブルの上を動揺するように目を泳がせて見ている事しかできなかった。
『んで!?どうだったの?』
「ど…どうだった?な…にが」
声からも美春のワクワクした気持ちが伝わってきて、動揺が隠せない。
冷や汗が頬を伝ってきそうだ。
『え?エッチだよエッチ!!初エッチ~!!したんでしょ?』
「はっ、初エッ……っしてないよっ…て………ぁ…」
思わず大きな声で否定してしまい、顔から全身にかけて血の気が失せていくようだ。
バッチリと正面の瑠衣斗と目が合い、言葉を失った。
……穴があったら入りたい。
少し驚いたような顔をする瑠衣斗から、顔が逸らせない。
泣きそうな程恥ずかしくて、今度はあり得ないくらい顔が真っ赤なのが分かる。
もぅ………恥ずかしすぎて死ねるよ。
『えぇ~っ!?してないのォ!?』
きっと漏れて瑠衣斗にも丸聞こえな携帯からの声に、思わず頭を抱えて俯いた。