「腹減った~!!」


講堂を出た所で、喫煙エリアへ向かう途中から瑠衣斗は空腹を訴え出した。


まだ慶兄には連絡してなくて、一服でもしながら慶兄を待とうと言う事になり、再び喫煙エリアで暫しの休憩を取っていた。


「電話がいいかな?」


「どっちでもいいだろ。もう仕事終わってると思うぞ」



鞄から携帯を取りだしながら瑠衣斗の声を聞いていると、取りだした携帯がチカチカと不在着信を知らせている。



それを見て、美春に連絡をしていない事に気付き慌てて携帯を開いた。


「美春だ。ちょっと連絡するね」


「ん?ああ」



瑠衣斗の返事を聞いて、履歴から美春に電話をかけた。



『―――もも!?どうしたのよ~!!』


ワンコールもしない内に電話に出た美春に、改めて心配を掛けてしまったんだと申し訳なく思った。


「ゴメン…連絡遅くなっちゃって。心配も掛けちゃったし」



素直に謝ると、美春の溜め息が直に耳に届いてくる。


『心配したよぉ…でも元気そうだから良かった』


「うん、ゴメンね」



私と連絡が取れない間、みんなは私を探し回っていたんだろうか。


そう思うと、私ってだらしがないな。なんて思えてくる。



『龍雅から連絡あったから、大体は状況は聞いたよ。慶兄からもお昼に連絡あったよ』


「…えっ、そうなの?」



キスマークやら瑠衣斗の出現やらで、美春に連絡する事も吹っ飛んでしまっていた。



『付き合う事になったんでしょ?』