「邪魔してやる」
軽くツンケンしたような顔で、そんな事を言う瑠衣斗は、何だか面白くなさそうに私に向かってそう言うと、再び煙草を加えて目を逸らした。
拗ねたようにも見えるその姿に、胸がドキドキと高鳴り、顔がかぁっと赤くなるのが分かる。
「…邪魔?別に…普通に居ればいいじゃん…?」
「ん~……まあ…な」
何だろう。何か言いたそうに感じるんだけど………。
「夕方には仕事終わるって。だから時間的には同じぐらいだよ」
「そうか」
何だろう?何か言いたいなら言えばいいのに…。
「飯食わしてもらお」
……え、ひょっとしてそんな事考えてたの?
「あ…そう」
でも、そうしたら私も一緒に…………だよね。
微妙な雰囲気だった朝の光景を思い出し、何だか気が乗らない。
慶兄とのキスも見られてしまったし。
そう思った所で、私だってるぅとりなさんのキス見てんじゃん。
なんて考えに虚しくなった。
それから、取っていた講義を全てこなして、話していた夕方になってしまった。
瑠衣斗は全て、ちゃんと起きて講義を受けているようだったが、チラリと見た終わり頃には、しっかりと目を閉じていた。