そっと肩に触れて揺すると、陽射しで温かくなった温もりに顔が緩んだ。


ピクッと眉を眉間に寄せて、うう~。と唸るが、構うことなく肩を揺する。


「起きてっ」


「…嫌だ~…」



なかなか目を開けてくれない瑠衣斗には、毎回骨を折る。


「ね~え、本当に置いてっちゃうよ?」


「んん~…寂しい事言うんじゃねえ…」



はあ、と呆れて溜め息を吐き、今度は思いっきり肩を揺すった。


「るぅ!!おーきーてー!!!!」


「んなあ~っ、分かったよ…」


頭をグシャグシャとかき混ぜて、やっと目をうっすらと開けて起き上がった瑠衣斗は、まだ欠伸をして眠そうにしている。



「おはよう。ジュリが良く分かんないけど、よろしく言っておいてだって」


「……金髪ヤローが?」



眠そうな眼のまま、ボーッと私を見つめながら言う姿は、頭がボサボサて何とも可笑しい。


「……宣戦布告か」


「なにが」



訳の分からない事を言う瑠衣斗は、まだ寝惚けているのかもしれない。


「……俺は受けて立つぞ」


「はいはい、何でもいいから休憩しようよ」



そう言って、ボサボサになってしまった頭に、キャップのサイズを緩めてから瑠衣斗の頭に被せてやった。