だいぶ周りの人は居なくなってしまい、仲良く三人で席に着いているのは私達ぐらいだ。
「ジュリはもう終わり?」
「ん?うん。僕はもう今日はないね」
ブルーの混ざる綺麗な黒い瞳は、陽を浴びて不思議な色に輝いている。
「そっか…そろそろ行く?」
「あっ!!バス行っちゃう!!」
ガタガタと慌ただしく立ち上がり、鞄に荷物を放り込むと、私を振り返った。
「ナイトによろしく言っておいて?仲良くなれる気がするよ」
「はは、分かったよ」
初めは何だか怪訝な雰囲気だったから、てっきり仲良くなんてなれないと思っていた。
て言っても、ジュリの片想いかもしれないけど。
「じゃあ、またね!!」
「うん、お疲れ~」
元気良く手を大きく振りながら、たまに机の角にぶつかりながらジュリは去って行った。
ジュリが居なくなると、さっきまでの騒がしかった事が嘘のように静かになってしまい、思わず瑠衣斗を見下ろした。
気持ち良さそうに眠る瑠衣斗は、起こしてしまうのも可哀想に思えてしまう程、無防備に眠っている。
でもそろそろ起こさないと、私達までジュリのように慌てる事になるかもしれない。
「――るぅ…るぅ起きて…」