「あ~終わったぁ…」
軽く伸びをして筋を伸ばし、深く空気を吸い込んだ。
周りのざわつきが、何とも言えない達成感を感じさせてくれる。
「ももはこれで終わり?」
覗き込むようにして視線を合わせたジュリは、ニコニコしながら私の返事を待っている。
「ううん?まだあるよ」
何の躊躇もなく答えてしまうと、一瞬にしてジュリの眉がハの字になり、戸惑ってしまった。
「えっ?ど、どうしたの??」
訳も分からずにいると、ジュリは深い溜め息をついて、また私に視線を向けた。
「デート…したかった」
「…私彼氏居るんだけど」
節操がないと言うか…何と言うか…。
「彼氏ばっかと一緒で飽きたらいつでも言って!!」
パァッとキラキラ輝くような明るい笑顔になると、期待に膨らんだように目を大きく開いて私を見つめている。
「…忙しい人だから…それにるぅの方が飽きる程一緒に居るよ」
そうなんだ…残念。と力なくポツリと言うジュリは、本当に残念そうで思わず笑いが漏れた。
素直と言うか、嫌味を感じない性格は羨ましくも思える。
「ねぇ…ナイトは何も言わなかったの?」
「――え…?う…うん」
「そうか…ナイトも大変だな」
独り言のようにポツリと言ったジュリは、私を通り越して瑠衣斗を見つめた。
「ねぇ、何が??」
「え?いや、こっちの話だよ」
……こっち?どっち?