並んでいつも通り講堂へ入り、いつものように窓際へ二人で席に着いた。
「あ~…ねみっ」
瑠衣斗はふあ~と欠伸をしながら大きく腕を伸ばし、そのまま机にすぐ突っ伏してしまった。
「寝るの?」
「…ん~?」
既にスイッチが入ってしまったらしく、顔をこちらに向けたが、目がもう閉じてしまいそうだ。
「置いて帰るよ」
「…んん~?ダメっ」
そう言いながらも、完璧に目を閉じてしまった。
やれやれと思いながらも、そっと顔を覗き込むと、無防備な寝顔に顔が緩んでしまう。
いつもツンケンしたような、鋭い目付きの瑠衣斗も、眠ってしまうと可愛いものだ。
心がポカポカして、くすぐったい。
ずっとこの寝顔を見ていたい。
「ももーーーっ!!!!」
「っ!?へっ」
突然聞こえてきた声に、思わずビクッと反応して振り返った。
「……ジュリ…」
すぐそばまでやって来たジュリは、一瞬瑠衣斗に目を向けたが、すぐに私の隣へ腰を下ろした。
「昨日…電話したのに……」
拗ねたように言うジュリは、寝ている瑠衣斗に気を使ってか、小さな声でポツリと言う。
「…あっ…ゴメン!!」
そう言えば、電話するって言ってたっけ…。
「もも…ナイトと居たの?」
「え…違うけど…ちょっとね」
何だかそわそわして、被っていたキャップを取って髪をかきあげて何となく寝ている瑠衣斗に被せてみた。
「……そ…それ………」
「へ?それ?」
綺麗なキラキラとした瞳を、大きく見開いてポカンと見つめるジュリの視線に、軽く手で触れた。
何か付いてる?
視線を落としたが何か分からず、思わずハッとしてそのまま固まった。
………忘れてた。
「もも……ナイトと…」
恐る恐る視線をジュリに向けると、何とも言えないジュリの表情に、顔が赤くなっていくようだった。