「……もも、もも~」
「……ぅぅ~…?」
体を揺する振動と、耳元に響く低くて甘い声に、うっすらと目を開けた。
眩しい…眠い。てゆーか瞼が腫れてる気がする…………
「……………」
「おはよう」
パチリと目を覚ますと、目の前に慶兄の甘い笑顔がある。
「どぅえ~~~~~~!?」
「だはっ、ひでぇ~」
思いっきり起き上がって後退りした私に対して、慶兄は吹き出して笑っている。
なっなっなっ何で慶兄がっ………………………あ、そっか。
「良く寝てたなあ」
「あ…お、おはよう」
何だか気恥ずかしくて、目が合わせれずに俯いた。
そっか、昨日あのまま寝ちゃったんだ。
視線を上げて周りを見渡すと、広々としたシンプルな寝室だった。
「シャワー浴びるか?使っていいぞ?」
「ん~…借りようかな。ありがと」
ベッドからいそいそと抜け出し、慶兄に付いて寝室を出た。
短い廊下を歩き、リビングの扉を開けて中に入ると、大きな窓から朝日がさんさんと射し込み、目が覚めるようだ。