「や…ぁっ、はっ…ん、あぁっ」
首筋をなぞる舌が、熱い。たまにチクッと痛みを伴う唇が、熱い。
自分の物とは思えない甘いあえぎのような声に、唇を噛み締めた。
「もも…止めて欲しいなら……全力で抵抗してくれ…」
少し掠れたような、甘い声が耳元で囁き、力が抜けるようだ。
「んっ…は、んんっ…ん」
首筋に舌を這わせながら、あいている片手を、慶兄は私の前開きのシャツの隙間から差し入れ、なぞるように背中を這わせた。
「っ!?」
胸の締め付けがなくなり、一緒にして身を固た。
「まっ…待ってっ…んっ」
抵抗しようにも、両腕を捕まれていて抵抗ができない。
シャツに入れていた手を引き抜くと、慶兄が器用に片手で私のボタンを外していく。
唇を塞がれ、言葉も吐き出せず、唇の先に消えていくようだ。
胸の遮りがなくなり、暖かい温もりが優しく私の胸に触れ、心臓が強く跳ねた。
塞いでいた唇は、鎖骨から跡を付けるように下り、私の柔らかな物に触れ、私の口からは甘い痺れが漏れる。
「おねっ…ま、待って…っん、んぁっ、けぃっ…に…っ」
息も絶え絶えに、慶兄の唇に撫でられた場所が、熱くなる。
感じた事のない快感が、頭を痺れさせ、体の力を奪っていく。
体が溶けてしまうようで、慶兄は優しく私の胸にキスをし、舌を這わせ続けている。
このまま…最後まで……。