薄く目を開けていると、ふと慶兄が薄く目を開け、目が合う。
熱っぽいその視線に、思わず目をグッと閉じてしまった。
心臓が無駄に暴れているように、ドキドキと鼓動している。
もう、強い鼓動を意識する事もできない程、何も考えられなくさせられてしまう。
ゆっくりとソファーに倒されると、そのまま慶兄が覆い被さってきた。
激しくも優しいキスに、もう完璧に頭まで痺れてしまった。
抵抗もできないまま、慶兄の熱い唇を受け止めるしかできない。
「は…っあ、…ん…っ」
段々と、自分の呼吸が甘い物に変わっていく事に気が付いた。
ダメだよ…ダメだよ…。
追い立てるように迫る慶兄の唇は、私の思考をすぐに掻き消してしまう。
頭に回されていた手が、耳をなぞり、首筋を撫でた。
「ふぁっ、んんっ」
電流が一瞬ゾクリと首筋から背筋にかけて走ったようで、体がビクッと震えた。