「っ…ふ…んんっ!?」
唇を割って入ってきた慶兄の熱い舌が、私の口の中を撫でるようにして舌を絡め取ろうとし、驚いた私は思わず声を出してしまった。
「はぁ…っん…」
息ができなくて苦しい。
胸が苦しい。
いつの間にか背中に慶兄の腕が回っていて、離れないようにグッと抱き寄せられている。
何度も角度を変え、静かな部屋には交わるその音が響いていた。
全身から力が抜けるようで、頭の先から足の爪まで痺れているようだ。
どうしよう…止めなきゃ。このままだと本気で抵抗できないよ…。
頭ではそう思うのに、力が既に入らない。
そんな考えも、次第にできなくなっていくようだった。
「ふ…っけ…にぃっ…」
慶兄の胸に手を付くが、力が入らない。
そのままグッとシャツを握り込み、薄く目を開けた。
頬に添えられた手は、後頭部に周り、髪をゆっくりかき混ぜるようにして強く抑えられている。
ダメだ…頭が真っ白になってく。