ひとりぼっちは嫌だ。


寂しい。辛い―――……。




慣れていた筈なのに、私ってこんなに弱虫だったっけ……?



静かに溢れる涙を、止める術はない。


ひとりぼっちで泣くのって、こんなに寂しいんだ。


心が悲鳴を上げているようで、ぐっと胸が詰まる。


叫び出したい衝動に駆られても、声を上げて泣く事ができない。



ふと視線を落とした先に、口の空いた鞄が目に入った。


滲む視界に、携帯がチカチカと輝いているようだが、滲んでメールなのか電話なのかも分からなかった。



手の甲で涙を拭い、鞄から携帯を取り出して画面を開いた。



「さん…じゅ…はち?」


画面には、38件の不在着信と、12件の見ていないメールが受信されている。



あまりの数に、呆然と眺めるしかできない私は、タイミング良く着信を知らせる画面に変わった携帯を握り締めたまま体をビクッと震わせた。



思わず慌てて通話ボタンを押し、すぐに後悔する。


あまりにも多かった着信数。メール。



動揺した私は、携帯を耳に当てる事もできず、ただ呆然と画面を眺めていた。



静かな車内に、携帯を耳に当てていなくても聞き覚えのある声がやけにクリアに聞こえる。



同時に、全身の血の気が引くように、サーッと嫌な汗が全身を伝うようだった。



『もも―…?おい、もも?』