「確かに。でも俺と一緒に居る事が一番危ねえかも?」


頬から耳に手は流れるように移動し、気が付くと耳元で囁かれていた。



「…そうなんだ。知らなかった」



胃に殆んど食べ物を入れていないせいか、一気にカクテルを空けてしまったせいか、酔いが回ってくるのが分かる。



「…酔った?」


ソファーに深く沈み込み、薄く目を開けた。


そんなに飲んではない筈だけど、やっぱりアルコール度数がキツいんだ。



目の前のランプが、ふにゃんと揺れた。


あー…ヤバい。酔った。



「お水…欲しいかな」



深くソファーに沈み込む私を、上から覗き込むようにして見た夏希は、軽くニッコリと笑うと店員さんを呼んだ。



ふわふわして、気持ちがいい。酔ってしまったけど、気持ちが悪くなったりする事もなく、ちょうど良い酔いだ。



そのまま目を閉じると、遠くで夏希と店員さんが会話しているようだった。