え…?何で……。



「る~い♪」



「うおっ!?」



目の前には、背後から首に腕を回され、ぎゅうぎゅうと抱き付かれた瑠衣斗が驚いた顔をして後ろを振り返っている。



「な…何で…またいんだよ…」



大きく見開いた瑠衣斗の目を、覗き込むようにして笑うその人に、一気に恐怖心が沸いてくる。



「りなが来たらダメなの?」



唇を尖らせて拗ねたように甘える“りな”さんは、私の存在なんかないように瑠衣斗に抱き付いたままだ。



体が震えているように、喉が震える。


頭が一気に真っ白になったようで、目の前の視野がハッキリとしていくようだ。



「タイミング良い~!!全然連絡くれないんだもん!!来ちゃった♪」


「ちょ、いーからとりあえず離せ!!」



カバッと腕を振り払うと、瑠衣斗は軽く眉間にシワを寄せながら、チラッと私に視線を向けた。