「あの金髪ヤローと仲良いのか?」
「金髪ヤロー…ジュリ?仲良いって訳では…」
つい最近突然声を掛けられただけで、仲良しですって訳ではない。
スッと目線を手元に向けた瑠衣斗は、ふーん。と応えるだけだ。
「ジュリが何?」
「ん~…何か言われた?」
煙草に火を付け、深く肺に吸い込み、ジュリに言われた事を思い出す。
「天使だって言われたよ」
「…天使?」
目線を上げた瑠衣斗は、眉を軽く寄せて不思議そうに私を見つめた。
「うん。それから友達になろうって」
「…変な奴だなあ」
てゆーか、聞きたい事って何なのさ。
「ねえ、だから聞きたい事って?」
「ああ、その金髪ヤローの事。そんなけか?」
何が聞きたいのか分からない。と言うか、ジュリの話なんてする事ないんじや…。
「え…別に。それだけだよ」
「んー…そうか」
曖昧な返事に、反対にこっちが質問をしたくなってしまう。
「ジュリが何?何かあるの?」
中途半端な会話に、もどかしさを感じる。
「いや、別に」
聞きたい事って…それだけ?
そのまま窓の外に目線を移した瑠衣斗は、それっきり何も言わなくなってしまった。
意味が分からない。