「え?え?な……に…」
みんなして心配そ……怒った顔して。
美春は心配した顔してるけど…。
はぁ~…と、ため息をついて、少しほっとしたような、呆れた表情で男性陣は身を引いた。
「おい~大丈夫かよ!?」
龍雅がそんな事を言って、ようやく開けた視界を見渡すと、病室のベッドに横になってるんだ。とやっと気付いた。
……あ!!そうだった。
ようやく思い出した所で「はいはい、どけよ~」と言う声が聞こえた。
声がした方に目線を向けると、首から聴診器をぶら下げて、白衣を着こんだ人物が近付いて来るのが目に入った。
「あれ?慶兄??」
横になる私の右側に、白衣姿の慶兄が横に立った。
「久しぶりだなあ。元気…そうじゃねえなあ」
そう言って苦笑いする慶兄は、顔立ちが瑠衣斗にどこか似ていてそっくりだ。
まあ、歳の離れた兄弟な訳なんだけど。
雰囲気は明らかに違うけど、顔のパーツや髪質が似ている。目付きは瑠衣斗の方が鋭くて意思が強そうだけど、慶兄は優しい目をしていた。
瑠衣斗を黒髪にしたバージョンみたいな?そうしても違いはすぐ分かるだろうけど。