気が付かないうちに、下唇を噛み締めていた。 私は、何でこんなにも素直じゃないんだろう。 瑠衣斗が言うように、何とも思ってないならこんなに心が乱れたりしない。 嘘に嘘を重ねて、自分の気持ちを押し込めてしまう自分は、本当に素直じゃない。 「お前の気持ち言えよ。言えねえのかよ」 覗き込むようにして言う瑠衣斗に、ゆっくりと目線を合わせた。 私の、気持ち…? 「……寂しぃょ…」