葬儀は簡単に葬儀所で行われた。沢山の人が泣いていた。沢山の励ましの言葉を掛けられたが、私は何の事かさっぱり分からなかった。
ありすぎる莫大な遺産は、私に相続されたため、親戚は引き取ると勝手に揉めていたようだ。
たらい回しされる気はさらさらなかった。引き取られる気も全くなかった。
散々言われた家も、売らずに私だけで住む事になった。
帰ってくる場所だから。
感情のない冷静な私を、みんな驚いて見たが、気にならなかった。
葬儀所の駐車場に大きな木があった。
瑠衣斗が木に背中をつけて、煙草を持った手を横にたらしながら、まん丸のお月様を睨んでいた。
涙で頬が濡れていた。
“15歳”の私は、子供すぎた。