「顔見せろって」


瑠衣斗はクスクス笑うと、そっと私から体を離し、両手で頬を優しく包み込んだ。



何故か抵抗する気が起きず、簡単に顔を上に向けられてしまった。



「…なに笑ってんの」



ムスッとしながら、何やらやたらとニコニコ微笑む瑠衣斗がムカつく。


何か余裕なモノが感じられ、余計に自分が恥ずかしくなる。



「え?俺?笑ってるか?」



「…ムカつく」



何よ何なのよ!!本気で腹立つ!!


視線を下に逸らして俯くと、自分の体勢に驚いて固まった。


私は、瑠衣斗の膝に股がるようにして、しがみついて泣いていたのだ。


今日はミニスカートだったため、スカートは広がり、乱れてきわどい事になっている。



「…え!?お、お、降りるっ!!」


あわあわと慌てだした私を、瑠衣斗はがっちりと私の腰に腕を回し、離してくれない。



「あっ…あわて…すぎっ」



ついに笑いだしてしまった瑠衣斗に対して、顔を真っ赤にして視線を逸らすしかなかった。