「ももは昔から小さい子だったよね♪」


祈りが届いたように、美春が会話に混ざってくれて、少し気が楽になった。



早く瑠衣斗引っ張って行けばいいじゃん…。


何となく目線を落として、会話に混ざらないように努めてみる。


「へぇ~!!そうなんですか!!羨ましい~。りなの親なんて普通だから~。ももちゃんのお母さん可愛いんだろうなぁ!!見た~い!!」



ズキッと、傷口がえぐられたような痛みが、胸を突いた。


よく喋る子なんだよ。きっと。

大丈夫。私は気にしない。



何となく、美春と瑠衣斗が気まずそうな様子に、いたって明るく振る舞おうとりなさんに笑顔を向けた。



「私より小さいんですよ」


「へえ~!!可愛い~!!」



そんなに背が低い事が羨ましいって感じはしない。


結構冷静に物事を見る事ができる自分に、意外と根性あるじゃん。なんて思えた。


でも、そんな私の考えは、彼女の言葉で崩れ去った。



「ももさんって清陵高校ですよね?るいと同じ!!私友達いて!!何か~、ご家族がおっきい事故に巻き込まれたのって、ひょっとしてももさん!?前に名前聞いた時、何か聞き覚えある名字だな~って!!良くニュースでやってたの見ましたよ!!」