「あれ?…もも」


うっ!!と声が漏れそうになり、グッと飲み込んだ。


バクバクと鳴る心臓を、取り出してどっかに投げてしまいたい。


ゆっくり振り返ると、ピッタリと瑠衣斗にくっついた彼女が目に入った。


「…おーす」


見たくない。見ちゃったけど。


「あー!!この間の~!!こんにちは♪」


パッと表情を明るくした、りなさんが私に向かって声をあげたが、瑠衣斗から離れる気配はなかった。


この間の続きを見ているようで、胸がモヤモヤと影を落としていく。


「こんにちは」


無理矢理口元を持ち上げて笑って言ったが、ちゃんと笑えているだろうか。



「前思ったんですけど~、めちゃくちゃ可愛いですね!!ちっちゃくて♪」



……嫌味を言われたんでしょうか?


「あ~…どうも」


もう無理!!私を話題にしないでいいから!!



「何センチなんですかあ?」


「えっと…ギリギリ150って所…です」


何で私、この子と話してるんだろう…。



目を逸らす事もできず、美春と瑠衣斗が口を挟んでくれないものか。と思う。