「………」
昨日…。
「何で…一人で帰ってんだよ」
「え…その」
だってそれは…。
瑠衣斗の手を握る、りなと言う彼女を思い出し、息がつまりそう。
「何で帰った?」
淡々と話す瑠衣斗は、怒っているように感じるが、言葉が冷たい。
何だか段々と攻められているような気がしてきて、腹が立ってくる。
「お邪魔…かと思って」
「邪魔?」
眉をしかめた瑠衣斗に、視線を向けると、大きな溜め息を吐かれた。
なんでそんな偉そうなの。
「あまりにもお似合いだったから、邪魔しちゃ悪いと思ったの」
溜め息を吐かれた理由が分からず、瑠衣斗の態度に対し、自分の中で何かが弾ける感覚がした。
「…もも?」
不思議そうに私を見つめる瑠衣斗は、戸惑ったように名前を呼んだ。
さっきから訳の分からない態度の瑠衣斗に、込み上げる物を抑える事にいっぱいいっぱいだ。
「りなちゃん?だっけ。可愛い子じゃん」
笑って言ったつもりだが、顔がひきつる。
「いや、あいつはただ…」
戸惑う瑠衣斗に口をきかせたくなく、瑠衣斗の言葉を遮った。
「お似合いでビックリしたよ。るぅにあんな知り合いがいたなんて知らなかった」